Yeah!
(みなさんこんにちは)
Mr. Diggy right here...
(元祖サイゼリヤです)
ア アラララァ ア アァ!
(ア アラララァ ア アァ)
みんなSOUL'd OUT好き?
SOUL'd OUT
1999~2008年、2011~2014年に活動した日本の音楽ユニット
Diggy-MO'によるまくし立てる弾丸Rapと独特のスキャット・癖になるメロディー、Bro.Hiの100倍速でブッ放す高速ラップとヒューマンビートボックス、そしてShinnosukeのバッキバキのTrackが持ち味の想像以上のCreator
解散からはや10年が経ちます*1が、その人気は衰えることを知りません。それどころかなんかSNSとかを通じて解散当時よりジワジワ増している気さえする。さっき「今時ウェカピポのこと考えてる人いるんやな」ってツイートが流れてきましたが、だから何?俺はそんなこと聞いちゃいねぇよ。S.O Cru(ファンの名称)はいつの時代も365日、24/7でいつだって事故ってるOH YEAH!という訳です。
ここからスムーズに本題に入る方法がわからないのでもう行っちゃいますが、SOUL'd OUTの音楽性って何だと思ってますか?
一応当時流行のポップなヒップホップユニットとして売り出されたわけなんですが、実際当時ケツメイシやHOME MADE家族なんかと一緒に聴いていた人も、後の世のR-指定とかを入り口に聴き始めた人も、あるいはヒップホップ自体あんま知らないけどジョジョとかぬまんづとか経由で聴いた人も「これ本当にヒップホップか…?popでパンチーキャッチーで全然違うヤツなんじゃないか?」と感じたことがあるのではないでしょうか。
かく言う私もそうです。最近あるきっかけ*2でSOUL'd OUTを聴き直してたんですがやはりその発想の源が気になりまして、影響を受けたというアーティスト、とくにサウンドの要だというトラックマスター・Shinnosukeが影響を受けた音楽というのをこの機会に掘ってみようかなと思ったんですよ。
例えばShinちゃんが事あるごとにリスペクトを公言しているジャム&ルイス。
ジャム&ルイス
1990年前後のUSポップミュージック界で一世を風靡した、ジミー・ジャムとテリー・ルイスからなる二人組プロデューサーユニット
SOUL'd OUTの「Flyte Tyme」のタイトルの元ネタはジャム&ルイスのプロダクションチームとスタジオ、主催していたレコードレーベル(さらにその元ネタとして二人が昔やってたバンドの名前がFlyte Tymeであった)
一応彼らが手掛けたジャネット・ジャクソンの「Unbreakable(2015)」はShinちゃんもメチャクチャ推してたので買った(いいアルバムです)けど、普通に同時代的なテイストも強くてこの辺がSOUL'd OUT!ってのはあまり分からなかった。その時にジャネットの昔の代表曲も一応YouTubeで耳を通してみたんですが、当時中高生の私には古臭く聞こえてしまってあまり響かなかったんですよ。
しかし音楽のWord gageがかなり増えた今なら理解できるかもしれない…と思い、ジャネットのアルバム「Rhythm Nation」を聴いてみたんですが…
www.youtube.comそのまんまじゃねぇか!!!!!!!
そもそもこのPVの冒頭に入ってるInterlude: Channelをはじめ、1st~3rdあたりまで入ってるInterludeっていうのRhythm Nationにもメチャクチャ入ってますね??影響があまりにもモロ!!!!!!!!!!!
という訳でShinnosukeが敬愛するジャム&ルイスから受けた影響がSOUL'd OUTにどれくらい反映されているのか?というのを見ていく記事です。
この記事は「SOUL'd OUTは好きだけどブラックミュージックはよく知らない」というオレみたいなパープリンが、同じような乳製品好きのチンケなヤカラに向けて「初心者でもわかる要素がこんだけあるんだから一緒に聴こうぜ!」と呼びかけるスタンスとなっております。
私も初心者である故に詳しい方から見たらはぁっ?って感じの記述もあるかもしれませんが、変なこと言ってたらコメント欄でご指摘いただけますと幸いです。
よろしくおね2いします🐪
- <1st verse/宿すSoul魔法の効果>
- <2nd verse/思考中の源はdigital>
- <Bridge/Delightful SoundsまたがってほらDance>
- <HOOK/Hip-HopでRockならSOUL'd OUT Cru>
- <OUTRO/わかってんだろ?>
<1st verse/宿すSoul魔法の効果>
ということでInterlude: Channelから続くSOUL'd OUT is Comin'のイントロを例に、どの辺に影響を受けているのか見てみましょう。youtu.be
ヒップホップらしいラフなドラムフィルから入ってまず耳に飛び込んでくるのがカァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ!!!っていう音。ヴィブラスラップ、またはキハーダという打楽器です(以下、特に二者を区別しないものとします)。「水戸黄門」のテーマ曲や北島三郎の「与作」、「ハンバーグ師匠」の効果音として有名です。最近は漫画「呪術廻戦」にも登場して話題になりましたね。なぜ佳境の能力バトル漫画にヴィブラスラップが?
こんな特徴的なカァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ!!!の使用は難度が高そうな気がしますが、ジャム&ルイスの曲では結構な頻度で登場します。その一例がジャネット・ジャクソンの「Control」。
まあ例は何でもよかったんですが、ジャネットはこれから何回も出てくるので1回ちゃんと紹介させてください。
元々ネームバリューでそこそこ売れていたが、「Control」に始まるジャム&ルイスとのタッグによって音楽性を開花させてマイケルと肩を並べる歌姫となった
Shinちゃんの一番好きな女性アーティスト
Shinちゃんの一番好きな女性アーティスト(一番好きなプロデューサーが手掛けている)なのでメチャクチャ参照されます。
という訳でもう一回Controlを聞いてほしいんですがずっと鳴ってるピョピョピョピョっていうシンセの音!これもComin'では4小節目・8小節目といったループの〆でフィルイン的に使用されております(音域がControlより低めでビョビョビョビョって感じですが)。似た音色のシンセはSOUL'd OUTの初期楽曲を中心に多数の曲で使用されておりFlyte Tyme、Dream Drive、To All Tha Dreamersなど挙げるとキリがありません。ダンスクラシックでは定番の音色なのかも。
open.spotify.comopen.spotify.com
中でも輪舞曲とVOODOO KINGDOMは全体的にクラシカルだったりシックな音色が中心の曲なので、SOUL'd OUTらしい都会っぽさの大きな部分をこのピョピョピョピョ*3が担っている感があります。
さぁComin'に話を戻して、次はベースの音を見ていきましょう。モョンモョンという感じの音色が特徴的ですが、こちらもダンスクラシックやR&Bでは定番なのか、ジャム&ルイス作品でも80年代のものを中心に多数登場します。
そしてComin'のベースラインで特徴的なのは6小節目の最後で上がったところから一気に下がる「デ↑レレレレー↓」ってところ(0:31~)だと思うんですけど、かなり似てるラインがジャネットの楽曲「Go Deep」に登場します。全体的に地を這うようなベースラインの中で唐突な音程の移動がふいに目を奪いますね。
そして2小節目と6小節目で入ってくるシンセ、これはスパソ…いやシンセブラスか!?シンセブラスだわ!
ジャム&ルイスだとこんな感じです。あと言及の仕方に迷ってここまで放置してきましたが、ファンキーなカッティングギターもジャネットの「Alright」の方ではついでに聴けるので参考までにどうぞ。
しかし……すごく80年代色が強い!!!!最後のシンセブラスとかもうむせ返るほど80年代。その頃の音楽って近年すごい再評価されてますし、SOUL'd OUTのデビュー当時にもニューディスコとかダンスパンクといったリバイバルがあった訳ですが、それはハウスとかロックシーンの話。私の認識が間違っていなければ、SOUL'd OUTは21世紀最先端ヒップホップを装って当時の若者にチョベリグなディスコミュージックを流し込んだということになります。いわばストリート系のXLサイズTシャツに偽装して肩パッドの入ったパッツパツのジャケットを売っていたようなもんです。
近年ネットで見かけるSOUL'd OUT評に「単体ではアクが強すぎるDiggy-MO'をShinnosukeがポップに調理して飲み込みやすくしている」とか「ShinnosukeはSOUL'd OUTの良心、清涼剤」みたいなのがありますが、こうやって見てみるとShinnosukeのほうもだいぶアクが強いのではないか?確かにポップではあるがむしろDiggyの強烈な個性を隠れ蓑にして好き勝手やっているのではないか?という疑念が湧いてきます。逆にお前らはどこを見てShinnosukeが大衆性成分だと思ったんだ?顔か?顔だな?
なおComin'のイントロの話に戻りますが、メインメロディーを担っている煌びやかなストリングスの元ネタはわかりませんでした。こんな強い言葉を使っておいていきなり当てんなんかなんねぇところが露呈してしまった。YouTubeとかSpotifyで見失いそうなほど夢中で探したんですが、ジャム&ルイスの曲にこういうディスコ的な弦は出てこないんですよね。同じくShinちゃんのフェイバリットであるという70年代フィリーソウルが源流なのではないか?と即小粋に憶測しております。
<2nd verse/思考中の源はdigital>
続いてはこちら。SOSバンドの1983年のヒットシングルでジャム&ルイスの代表曲「Just Be Good To Me」なんですけど、もうこの1曲だけでSOUL'd OUT楽曲への影響がデカすぎて決して多くを語らない訳にはいきません。
曲が始まるとまずTR-808のマシンドラム(近年だとトラップミュージックやピコ太郎「PPAP」などで有名なあの音)が耳を引きます。SOUL'd OUTはあまり前面に出して使用することはないんですが、個人的にWA!と思ったのがSTEALTH。
インディーロックのような曲調でSOUL'd OUTの中でも特に暗い異色のトラックなんですが、よく聴くと808のオープンハイハットを使うことでリズミカルなメリハリとレトロフューチャーな感触がもたらされており、あまりSOUL'd OUT感を逸脱せず丁度イイトコロに収まる凄まじいバランス感覚が発揮されています。
808ハットはあと戦士達 天使達~Livin' For TodayやBetrayed Tha Sunなんかでもメインのビートに使用されており、80年代な感触を醸し出しています。
ハット以外の所に目を向けるとイルカでは808のコンガが使われ、メロウさを演出しています。
部分的な使用も含むとウェカピポで「仮に別の愛という名のTemptation」の裏で一瞬オープンハイハットが聞こえますし、ちゃんと探せばもっとあるかも。
話を戻してJust Be Good To Me、00:17からドラム以外の楽器が入ってきて本格的にイントロが始まる(そしてよく聞くとここでもヴィブラスラップが鳴っている)んですが、ここでFlyte Tymeを連想する人が私を含め多いらしいです。
open.spotify.comデーン!というディストーションギターが原曲の猛々しいシンセベースに近い印象なんですかね。こういう感じのギターはGAMEとかニタニタTHERAPYでも聞くことができます。
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さぁJust Be Good To Me、00:57でこのシンセベースがロングトーンを奏でるイントロが終わるとまた別のイントロが始まります。マツケンサンバか?この曲の歌い出しは1分14秒あたり。マツケンサンバのイントロは1分6秒らしいので長さはJust Be Good Meに軍配が上がります。
閑話休題、今度のイントロは短く切られたベースがリズムを刻むのが特徴的。ひと通り下降してから最後で「デッデー↑デッデー↑」と上昇していくループが印象的ですが、これに似たフレーズがSOUL'd OUTの曲でも登場します。
TOKYO通信~Urbs Communication~では一つのループが歌い出しからほぼ全編にわたって使用されているんですが、このフレーズも最後「デッデー↑デッデー↑」で〆られています。未来的なシンセシーケンスが前面に出ててベースが控えめなミキシングの曲ですが、音域が急上昇する「デッデー↑デッデー↑」はメチャクチャ目立つので妙に癇に障っていたDamn Bad Girlも少なくないのでは。
ジャム&ルイスによる同様のベースラインの使用例(00:47~)。こっちの方がT通に近いかも。
<Bridge/Delightful SoundsまたがってほらDance>
ここまで何度も80年代っぽさに言及したり80年代の曲を引用したりしてきました。私も調べながらかつてないほど80年代の曲を浴びまくったわけなんですが、そうしてからまたSOUL'd OUTの曲に戻ってくると今まで気づかなかった80年代成分に気が付くようになりました。
たとえばこのCOZMIC TRAVEL。直線でハンドルを切りまくるDiggyの発見やChristopher Columbusに関するアレなどで近年再評価されていますが、改めて聴いてみるとAメロがすごいキラキラしたシンセ鳴ってますし、「シャーン…」というリバーブを掛けたタンバリンの音?も鳴っててかなり80年代。
open.spotify.comCatwalkはロックなギターリフがカッコいい1曲ですが、例によってめちゃくちゃシンセブラスいますし、キラキラシンセも鳴っておりあからさまに80年代。あれ?そう考えるとギターもジャネットのBlack Catみたいなことなのか?
open.spotify.comDear My Cruは解散に伴うCruへのメッセージが込められた曲。聴くとSOUL'd OUTがもういないという事実が重く圧し掛かってくるのですっかり足が遠のいていたんですが、いざ向き合ってみると高音域を立てて厚くリバーブを掛けたピアノの音作りがド直球で80年代。
しかしここまで80年代をやっていながら、今日に至るまでそれに気づかなかったのも事実。なぜ私は今までSOUL'd OUTがこんなにも80s志向であることに、気が付けなかったのか?単に私のアンテナが鈍すぎただけかもしれませんがやはり現代っぽく聞こえるようには作られているのかもしれないということで、ここからは逆にSOUL'd OUTのどの辺が80年代じゃないのかを見ていきたいと思います。
三たびの登場となりますComin'。80年代すぎるって長々言ってきたくせにこの期に及んでそうじゃない箇所があるって言う気かよ?散々騒いだくせに後の祭りは逃避かよ?いやいや、実はもう言ってます。
ヒップホップらしいラフなドラムフィルから入って~……
はい。ドラムです。
特にSOUL'd OUT初期のドラムに関してはジャム&ルイス作品の中でも80年代ではなく90年代のR&B、特にジャネットのアルバム「janet.」に受けている影響が強いのではないか?と思います。
こんな感じですね。
STARDUSTとかはスネアの音がかなりYou Want Thisです。というかSTARDUSTの音にサンプリングのスネアを重ねれば完全にYou Want Thisになるんじゃないか?
「janet.」はこういう強いドラムがたくさん登場するアルバムです。Shinちゃんの引き出しの中でもジャム&ルイスという自分の原点と、ヒップホップのマッチョなところを違和感なく重ね合わせるための絶好の「正解」だったのではないでしょうか。
一方ちょっと上で挙げたDear My Cruは言うまでもなく末期の作品ですが、この頃のドラムは当時流行っていたエレクトロハウスなどのEDMに影響を受けてる感じがあります。
散々Shinちゃんの趣味の話をしましたが、一方でプロの音楽プロデューサーとして来年は絶対にコレが来る!ってところはしっかり掴んでいます。インタビューとか見ると昔作った音が古くなってるのを気にしてたりもしますし、こういうところはただの多趣味の坊やとは一味違いますね。
あとShinちゃん関係ないうえに身も蓋も無くて申し訳ないんですが、Diggyみたいなボーカリストは絶対80年代にいねぇのでそこで左右される印象はデカすぎます。ヒップホップが生まれたのは1979年頃とされています。そんな黎明期にこんなかますRhymeのスピードはマッハな上にメロディと継ぎ目なく結びついたスタイル存在しないんですよ。
80年代当時のヒップホップとポップソングの融合への試みとしてニュージャックスウィングがありますが、メロウさが強くDiggyの持っている独特の臭みとは違う感じがします。
よってT通に代表される中期の曲は割とドラムも80年代してますし概要欄にも「80'sグルーヴ溢れるダンサブルなTrack」とか言われてますが、歌ってるのがDiggyだからこそ、ただの80年代の代替品ではない無形によってのみぞ形成できる形あるものとなっているんだと思います。
なんとかShinちゃんの手元で結論を出したかったんですが結局Diggyに行きついてしまった…。Little girl, I'm so sorry yo。
<HOOK/Hip-HopでRockならSOUL'd OUT Cru>
さて、ここまでSOUL'd OUTの音楽的な影響元についていろいろ見てきたわけですが、But lately 浮かび上がったとあるquestionにまだ答えを出していません。
はたして、SOUL'd OUTはヒップホップなのか?
ディスコミュージックにポップス…みたいな話ばかりしてきたので、やっぱりSOUL'd OUTはヒップホップではないのでは?と思われているケイトやエマも多いかもしれません。しかし、この論争に決着をつけるためにはここまで登場した材料だけじゃ不適正 OK?
例えば先程ちょっと触れたニュージャックスウィング。ヒップホップの流れを汲むことは説明した通りです。
特に言いませんでしたがこのニュー・エディションってグループ、5thアルバムをジャム&ルイスがプロデュースしてるんですよ。この「If It Isn’t Love」も、上の「N.E. Heart Break」もジャム&ルイスの曲です。もちろんShinちゃんも大好きです。
レコードギャラリー。
— Shinnosuke (@Shinnosuke_Syn) February 11, 2020
好きな物に囲まれるって良いよね。
お手製パワースポット。#record #music #sound #room #気分で並び変えるけど #最強 #prince #janetjackson #minneapolis #momoney #hifive #newedition #tmnetwork #carol pic.twitter.com/irBWKyTvR2
ニュージャックスウィング特有の1拍を6分割したハネるようなリズムはそれ以降のR&Bにもかなり影響を与えております。
SOUL'd OUTだと例えば「True To Myself」なんかはビートがかなりハネており、この系譜を感じさせます。Shinちゃんはニュージャックスウィングの発明者であるテディー・ライリーからも多大な影響を受けているそうです。
そしてジェームス・ブラウン。言わずと知れたファンクのオリジネイターであり、フィリーソウルにディスコにヒップホップにとJBなくしては成立し得なかったジャンルは数知れません。
SOUL'd OUTにとっても間接的だけでなく直接的な影響元の一つであり、「Widespread Panic」では思いっきりJBをやっています。
open.spotify.com「もう一度James Brownから聴け」なんて言葉がありますが、SOUL'd OUTはちゃんと一度JBから聴いてるんですよ。知らんけど。
話がとっ散らかってきましたが、何が言いたいかというと全部地続きなんですよね、きっと。ダンスクラシックも、ニュージャックスウィングも、R&Bも、ファンクも、ヒップホップも。だからSOUL'd OUTの音楽もちょっとヒップホップそのものというには雑食的すぎるかもしれませんが、深いブラックミュージック愛に裏打ちされたそのスタイルはチャラい奴とは一線を画す超正統派と言えるのではないでしょうか。
SOUL'd OUTはそのあまりにもPOPな驚愕の音楽性から、所謂「日本語ラップ」を自認する界隈にはしばしばディスの対象とされてきました。彼らは主にニュースクール・ヒップホップの影響を受け、より硬派なスタイルを持つとされています。
↑ニュースクール・ヒップホップの例
しかしニュースクールも、SOUL'd OUTが影響を受けたR&Bやニュージャックスウィングも、どちらも辿ればオールドスクール・ヒップホップやファンクに辿り着くわけで。
↑オールドスクール・ヒップホップの例
言うなれば、「日本語ラップ」とSOUL'd OUTは同じ血を引く叔父甥のような関係なのではないでしょうか?
まぁ歌詞が意味分からないとか他にもディスられた要因はあったんですが。でも、もし日本語ラップシーンがより音楽性にフォーカスしていたら?あるいはSOUL'd OUTのプロモーションにもっとその音楽性を的確に紹介する語彙があったなら?SOUL'd OUTの「黒さ」がもっと気付かれていたなら?もしかしたら敵対するのではなく、手を取り合っていた世界線もあったかもしれない……なんて夢想してしまったりするわけです。
それこそ、ジャネットがニュースクールの大物ラッパーたちとタッグを組んできたように。
<OUTRO/わかってんだろ?>
この度はこのような血管がサイケでKICKしたいだけの記事に長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
拾えなかった要素も多数ありますし、それ以外でも至らない部分があったとは思いますが、この記事で皆様がSOUL'd OUTのまた違った楽しみ方を知ってくれたなら、お気に入りの音楽を新しく見つけることができたなら、それより光栄なことはございません。
ちなみに私はこの記事を書きながら普通にジャネットにドハマリしてしまいました。せっかくなので最後にSOUL'd OUT関係なく好きな曲を紹介させてください。
youtu.beEscapadeはキラキラの80sサウンドにレゾナンスを立てたチュピチュピというベース、元気な歌声とポップなメロディーが特徴的な曲。アルバム「Rhythm Nation」の中でもひときわ明るい曲調で非常に目立ちます。
ちなみにShinちゃんがSOUL'd OUTの休止期間中にやっていたソロプロジェクトの名前の元ネタでもあります。
youtu.beFree Xoneはテンポを保ちながらガラリと変わる曲調が楽しい。ジャネットはほぼラップか喋ってるだけみたいな感じですが、上のEscapadeとの声の振れ幅がすごい。本当に多彩な表現を持つ素晴らしいシンガーです。
youtu.beTake Me Awayは2015年作「Unbreakable」収録で昔から大好きだった曲です。なんと疾走感溢れる2010年代的なロック・アンセム!もしSOUL'd OUTが2014年以降も活動を続けていて、この曲の影響を受けていたらどうなるんだろう…なんて妄想をしてみるのもまた楽しいんですよね。皆さんも是非。
それでは週末は注意深く用意されたユーモアに呑まれず、上等なS.O musicとともにこれ以上ないくらいにハイなNightをお過ごしください。
ペィス!✌
(8/31追記)
いいね!こういう音オタク好きよん https://t.co/j7wZ1KpWKQ
— Shinnosuke (@Shinnosuke_Syn) August 30, 2024
ねぇちょっと待ってマヂで!?1st verseの最後の方とかホント失礼な事言ってるのに好意的にご紹介してくださりホント恐縮です。ありがとうございます……。
@KyothoughMUZiiK https://t.co/bo8S6lhOS3
— Shinnosuke (@Shinnosuke_Syn) August 31, 2024
Produced by me !
Shinちゃんが編曲を手掛けられたJust Be Good To Meのカバーもなんと直接送っていただけました。畏れ多すぎてこのままMy system's error起こしてしまいそう。みんなで聴きましょう。
Check tha "バッキバキのTrack" ♬ https://t.co/NQQUDUuftT
— Shinnosuke (@Shinnosuke_Syn) August 31, 2024
新作提供楽曲も聴きましょう。
SPECIAL THANKS
・ジャム&ルイスのベスト・ソングス:R&B界を代表する名曲20選
ジャム&ルイスの代表曲一覧とその紹介(一部バックグラウンドも)。もっと知りたくなった方は是非。
・『DECADE』発売! SOUL’d OUTのアルバムを振り返る ★Trackmaster Shinnosuke視点で★ - VALERIAN 映画と音楽 それはおれの非日常へのささやかなトリップ
・SOUL'd OUT解散・・・おれが選ぶSOUL'd OUT Fav曲 ベスト14 - VALERIAN 映画と音楽 それはおれの非日常へのささやかなトリップ
(8/31追記)ブラックミュージックに造詣が深く、Shinちゃんとも交流があられるという方のブログ。ジャム&ルイス系のみに限らず色々元ネタ提示してくれてるのでご参考にどうぞ
・初のベスト盤「Single Collection」リリース記念!メンバーによる収録曲全曲紹介!
・4th ALBUM 「ATTITUDE」楽曲解説 (2007/12/11)
SOUL'd OUTのメンバーによる楽曲紹介。軽めですが影響を受けたサウンドの話もしており必見。
・プロフィール | Sony Music (SOUL'd OUT旧公式サイト・アーカイブ)
メンバーが影響を受けた音楽の一覧。現行サイトだとプロフィールは空欄になってます。なぜ消した。
・SOUL'd OUT 『Decade』インタビュー | Special | Billboard JAPAN
「バナナスプリット」などの音が古くなっていることに悩むShinちゃん。
・感電シリーズとは (カンデンシリーズとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
この記事で使用されている書式の元ネタ。
・この記事を書くために旅行中延々とSOUL'd OUTカーステレオで垂れ流しても許してくれた家族のみんな
いつも深い理解をありがとう。